映画

#01 映画「勝手にふるえてろ」感想・考察

感想

2回目の視聴。1回目はほとんど覚えてない(多分眠かった)けど、Filmarksのレビューに「感想言い合ってたら彼女とケンカした」とだけ書いてあって勝手にふるえた。我ながら記憶のなさが恐ろしい。

本作はなんと言っても松岡茉優の演技が良い。一瞬で真顔になって、焦点が定まらなくなって眉間がピクピクして、抑えきれなくなった感情が溢れ出して涙するようなシーンが多い。

女性監督ならではの視点なのか分からないけど、こういうこじらせ女子いるいるーと既視感のある描写が多いこと。急にマシンガントークになったり感情が追いつかず早口で「はぁ?」とか言っちゃったり。1みたいな男も2みたいな男もいるいるーとは思うけど。接点がなさそうな2人が共通の話題(絶滅危惧種の話)を発見した瞬間盛り上がって一気に距離が近づくところとかも現実では良くある。

中盤あたりから急にミュージカルになるシーン。バーガー店(代官山のササバーガーだね)の店員もコンビニ店員も駅員も釣りしてるおじさんもバスで横に座るおばさんも、最初から話しかけてはない(脳内妄想)のは分かっていたけど、そのネタバラシが割と早い(普通なんか終盤の展開になりそう)のは後からの展開もあって逆によかった。

1とか2とかデキスギくんとかフレディーとかオカリナとか、一切本名を覚えようとしないヨシカが「名前なんだっけ?」って盛大なしっぺ返しされる。(しかも2回も)他の人に興味がない(愛せない)絶滅動物。

ラストの赤い付箋のシーンがじわじわ来た(下の方に記載)。「勝手にふるえてろ」は2に対してではなくヨシカが自分自身に言い聞かせてたセリフだと思う。

以下印象的だったシーン(ネタバレあり)

・ヨシカの「ふぁーっくふぁくふぁくふぁくふぁく…」

・ごめんなさーい!→写真→この写真送るのでLINE教えてください(2にやられたヨシカがそっくりそのまま1にやった)

・シンプソンズのOP「それはあなたに向けた茶目っ気じゃない。だから先生、それ自分の手柄にしないで」

・好きでもない男に告白されたらやっぱり心踊るんだね笑

・ヨシカ「一見醜い現実こそ美しいのかもなぁ」

・同窓会を開いたのに他の店員「持ってかれる前に自分でおとりなさい」「東京の人ーはーい」の背景でピンぼけした店員さんの「グッ!」笑

・2がヨシカをついていくシーン、画面中央の木で左右分割してる撮り方も良い(豊洲かな?)

・2回目のタワマンシーン、そもそも1と近づくのが目的だったはずなのに、たまたま登場が一緒になっても何もアクションしないあたり目的を見失ってる(2邪魔してたけど)

・1「ごめん、名前なに?」でグサッた後、帰り道ずーーっとグサッてる様子…これは応える。

・ヨシカ「誰にも見えてないみたい。絶滅すべきでしょうか」

・ヨシカ「好きとか嫌いとかより、違和感がない方が大事じゃないかな」

・屋上でのゆっくりいびつなハグ。なんかキュンとした。

・1にも友達にも裏切られて、産休届準備しながら家で秘めてた感情が爆発するシーン

・「メッセージを消去する場合は1を、保存する場合は2を」

・2「愛してない、好きレベル」「おれはかなりちゃんとヨシカを好き」

ラストシーン解釈

・ヨシカが最後に2の髪を触れるシーンは、OPで店員さんに髪触れてもいいですか?と言ってるシーンとリンクしてる。

・最後は「2」じゃなくてちゃんと「霧島くん」と名前で呼ぶ。

・ヨシカから赤い付箋がとれ濡れた2の服に、ピンポンボールのラリー音(一方通行ではなく双方のコミュニケーションのメタファー)と共にリトマス試のようにじわじわ2の水を吸って馴染んでいく。ヨシカは初めて心を許した。

・「何その上から目線?傲慢で震えがくるわ!」と言ったヨシカが、最後は「勝手にふるえてろ」と2に言ってるようで、自分に言い聞かせてる(と思う)

レビュー


・ストーリー:4
・キャスト:5
・映像:3
・音楽:4
・エンタメ性:4

総合スコア:20/25(★4.0)

#旅するデザイナー 🇬🇧×🇯🇵 1990年生まれ。広告代理店、スタートアップを経て2020年より日本中転々と旅しながらUI/UXデザインの仕事をしています。旅の途中で訪れた場所やその時々の感情について忘備録代わりに綴るブログです。2022年より南米バンライフ2人旅をしています。
バンライフ旅についてのブログはこちら:https://yolotabi.com/

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