映画

#04 映画「雨を告げる漂流団地」 感想・考察

久々の映画の話。昨日夜少し時間があってNetflixを開いたらランキング2位にあった映画「雨を告げる漂流団地」。なんか、海の真ん中でぽつんと漂流してるこの団地のビジュアルが強烈で、アニメはそこまで普段見ないんだけどつい開いて見始めた。

あらすじ
まるで姉弟のように育った幼なじみの航祐と夏芽。 小学6年生になった二人は、航祐の祖父・安次の他界をきっかけにギクシャクしはじめた。 夏休みのある日、航祐はクラスメイトとともに取り壊しの進む「おばけ団地」に忍び込む。 その団地は、航祐と夏芽が育った思い出の家。 航祐はそこで思いがけず夏芽と遭遇し、謎の少年・のっぽの存在について聞かされる。 すると、突然不思議な現象に巻き込まれ―― 気づくとそこは、あたり一面の大海原。 航祐たちを乗せ、団地は謎の海を漂流する。 はじめてのサバイバル生活。力を合わせる子どもたち。 泣いたりケンカしたり、仲直りしたり?果たして元の世界へ戻れるのか? ひと夏の別れの旅がはじまる―

事前情報なしだったから見終わるまで気づかなかったけどペンギン・ハイウェイ(いつかの森の映画祭で見た作品)や泣きたい私は猫をかぶる(愛知県・常滑市を舞台にした作品)と同じ「スタジオコロリド」の作品(石田祐康監督)だった。超常現象的な表現が多いことに納得。

あと、映画を見終わった後にずっと真夜中でいいのに。の描き下ろし主題歌「消えてしまいそうです」の歌詞を読み返すと、この映画とリンクする点が多かった。

感想

あらすじにも書いてあるので言っちゃうけど、忍び込んだ団地だけなぜか海のど真ん中で漂流していきなり子どもたち数人でサバイバル生活はじまる非日常設定がまず面白い。夢なのか(記憶の中なのか)現実なのか、今なのか過去なのか、はっきりされてないのが逆にいろいろ考察しながら見れて好きなタイプの映画。
漂流してからはなんだかんだ希望→ピンチ→希望→ピンチの連続で、思ったよりうまく進まない話の流れが逆に現実味あって面白く感じた。時折設定が小6なのに、さすがに小6の考え方や行動や体力じゃないだろうとつっこまざるおえないシーンはあったけど(サバイバル能力が高すぎる、自分だったら即餓死しそう)総じてアニメ(ファンタジー)ならではの演出だったと思えばok。

キャラ立ちさせるためにしょうがないんだろうけど、それぞれ良く見るキャラ設定だなーとは思った。あまりアニメを見てない自分だからかもしれないが、昔見たあの花のキャラとかぶった。自分の気持ちに正直になれない主人公の航祐=じんたん、勝ち気な性格で何事も人のせいにしたがる令依菜=あなる、あんまり目立ってないけど大柄で優しそうな譲=ぽっぽ、みたいな感じで。珠理ちゃんだけはメガネと声が相まって完全にちびまる子ちゃんのたまちゃんだった笑

考察

特に気になったシーンについて。ネタバレあり。

キーとなる少年のっぽくん。最初は幽霊キャラ?この団地で亡くなった子ども?(もっと言うと忍び込んだ団地の押入れで体育座りして寝てた夏芽のシーンを見て最初は夏芽が幽霊だと疑ったけど)と思っていたけど、途中から団地の精霊、付喪神(つくもがみ)、団地そのものの具現化キャラだったことに気づく。

最後の方まで敵か味方か絶妙に分からないが(途中夏芽のことに想いを寄せていて航祐を恨んでる?と勘ぐれるような場面も。夏芽も冒頭団地に出入りしてたタイミングからのっぽ君に会ってたことを示唆してるし前に何度か漂流先=夢=死にかけた?に来たことあると言ってる)最後の最後は自分がみんなを巻き込んでしまったと自覚して一人で旅立ったから良いやつだったのかな。

彼が黄泉の国みたいな場所に戻れたことで子どもたちは元の世界に戻れて、団地が無事?解体されたので、やっぱりのっぽ君は成仏できなかった生き霊みたいな感じだったのかなと。無事極楽浄土に行ったことで平和な日常が取り戻せた、と捉えることもできる。

そう考えるとあの広大な海は三途の川だったのだろう。

漂流してくるプールやデパートにも姿は見えないが誰かがいるようなシーンもあったが、観覧車に住み着いてるキャラが登場するあたりから、各建物に具現化キャラがいて、まだ成仏せずに三途の川を彷徨ってるから現実世界でも解体が進まない、ということなのかも。

海の底の悪霊が夏芽やのっぽ君を飲み込もうとしたシーンがあったが、三途の川の奥底に棲む悪霊がいて、夏芽の恐怖心や後ろめたさが形となって引きずり落とそうとしたのかな。

航祐や夏芽の心情の変化だけでなく、観覧車シーンではそれまで人のせいにばかりしてた令依菜もやっと正直になり心を開けることができていた。それぞれが謝れなかったり、自分の内面を打ち明けれなかったけど徐々に(喧嘩と仲直りを繰り返しながら)心を開いていって分かり合えるようになっていく、みたいな子どもたちの成長物語だと感じた。

公式サイト:

映画「雨を告げる漂流団地」公式サイト
スタジオコロリドが贈る長編アニメーション映画第3弾『雨を告げる漂流団地』。Netflix全世界独占配信中!

画像引用元:

https://special.hyoryu-danchi.com

#旅するデザイナー 🇬🇧×🇯🇵 1990年生まれ。広告代理店、スタートアップを経て2020年より日本中転々と旅しながらUI/UXデザインの仕事をしています。旅の途中で訪れた場所やその時々の感情について忘備録代わりに綴るブログです。2022年より南米バンライフ2人旅をしています。
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